健康な髪に食生活が重要な理由

ヘアケアは、あくまでも髪の状態をよくするためのケアです。

抜け毛や薄毛などの原因として、栄養不足や栄養バランスの偏りによるものが多いといわれており、健康な髪を保つためには、不足している栄養素を補える食事へと見直すことが必要です。

例えば、髪の主成分となるタンパク質は、健康な髪が生えるために必要な栄養素であり、不足してしまうと髪のパサつきを引き起こす原因になります。

また、必須脂肪酸や鉄分、ミネラルなどが不足すると、髪だけでなく皮膚の健康状態にも影響を与えることがあります。髪そのもののツヤやコシの低下以外に、抜け毛や地肌のかゆみなどの悩みにもつながるのです。

髪には毛周期があり2年～6年で生え変わります。栄養不足により毛周期が乱れると、通常より早く抜け落ちてしまうこともあります。食生活を見直せば、髪を生成する毛母細胞が活性化し、本来の健康的な髪へと導くことも可能です。

髪によい栄養素

髪を健康に導くためには、量を多く食べるのではなく、髪によい栄養素を積極的に摂るのがポイントです。ただし、どの栄養素も摂りすぎはよくありません。過剰摂取には気をつけましょう。髪によいとされる主な栄養素は以下のとおりです。

・タンパク質

髪を生成している主成分は、シスチン（システイン）やグルタミン酸といった複数のアミノ酸が結合してできた「ケラチン」というタンパク質です。髪の生成を促進させるためにはタンパク質が必要であり、その中でもアミノ酸を多く含むものが好ましいとされています。

・ビタミン

髪によいのは、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンEの3つです。ビタミンAには髪を健康に保つ、ビタミンB6には頭皮の新陳代謝がアップする、ビタミンEには血流改善を促す効果を期待できます。

・ミネラル

体内の細胞や機能を正常化させる働きがあります。ミネラルには複数の種類があり、髪を健康にするためにはタンパク質の合成を助ける亜鉛、新陳代謝を促進させるヨウ素を積極的に摂るようにしてください。

・L-シスチン

ケラチンを構成するアミノ酸で、L-システインが2分子結合したものです。羊肉や大豆、オートミールなどに多く含まれ、髪のターンオーバーを整え、育毛を助ける働きがあります。

・抗酸化物質

老化の進行を遅らせる効果が高いことで知られる抗酸化物質は、毛母細胞の分裂を活発にし、頭皮環境を整える効果が期待できます。抗酸化物質の中でも、アスタキサンチン、β-カロテン、リコピンなどが髪によいとされる栄養素です。

髪によい食事

髪を美しく保つために必要な栄養素を含む食材を知っておくと、日常においても取り入れやすくなります。これまでの食生活の中で、いつもの料理に食材をプラスしたり、間食として取り入れたりすることで、不足していた栄養素を補えるでしょう。

髪によい栄養素が豊富に含まれている主な食材は、次のとおりです。

• タンパク質…牛肉、豚肉、鶏肉、大豆製品、卵など
• ビタミンA…レバー、卵、緑黄色野菜など
• ビタミンB6…レバー、牛肉、豚肉、鶏肉、魚、卵、牛乳、豆類など
• ビタミンE…胚芽油、大豆、穀類、緑黄色野菜など
• 亜鉛…牡蠣、赤身肉、甲殻類、うなぎなど
• ヨウ素…わかめ、昆布、ひじきなど
• L-シスチン…羊肉、牛肉、鮭、卵、大豆、オートミールなど
• 抗酸化物質…鮭、エビ、カニ、トマト、ニンジン、パプリカなど

脂質の多い食材や食品添加物の多いものは、食べすぎると髪のべたつきやパサつきの原因になるおそれがあるため注意が必要です。食材を選ぶ際には、髪によい栄養素にも着目しましょう。